マオリ族はニュージーランドの先住民です。

ラグビーなどを通じてマオリの名前を聞いたことがある人も多いはず。

私は現在ニュージーランドに住んでいますが、街中でマオリ族の人と会う機会が多いです。(マオリ族の人は体格が大きいのですぐにわかる)

今回はそんなマオリ族について詳しく紹介します。

この記事でわかること
    • マオリ族の歴史や文化などの基本情報
    • どこでマオリ族の文化を体験できるか

マオリ族とは?

マオリ族はイギリス入植前からニュージーランドに住んでいた先住民で、現在でもニュージーランドの人口のうち約15%を占めています

「ハカ」と呼ばれる踊りや、刺青、独特な彫刻など、特徴的な文化を持つ民族でもあります。

歴史や言語、文化について詳しく見ていきましょう。

マオリ族の歴史

ポリネシアからカヌーでニュージーランドへ

マオリの伝承によると、マオリ族は約1000年前にポリネシアのハワイキ島からカヌーでニュージーランドに渡ってきたとされています。

この時、使われたカヌーは7つ(アラワ、タイヌイ、アオテア、トコマル、クラハウポー、ターキティム、マタアトア)で、それぞれに名前がついています。

マオリ族の人たちに聞くと、自分の祖先がどのカヌーに乗ってきたかを知っているのには驚きます。

狩猟生活

ニュージーランドに渡ってきた当初はアザラシや鳥などを狩りながら生活していました

ニュージーランドには飛べない鳥が多く、狩りをするには適した環境でした。

高さ約3.6m、体重約250kgという史上最大の鳥「モア」がマオリ族に狩りつくされ絶滅したのは有名な話です。

農耕生活へシフト

動物を狩りつくし、食料が不足してきた15世紀にはサツマイモとタロイモを中心とした農耕生活へシフトしていきます。

夏場には漁業も行い、農業と漁業で食料を確保する生活を送っていました。

ヨーロッパ人の流入

1769年にジェームズ・クック船長率いる船がニュージーランドに上陸すると、それをきっかけに次々とヨーロッパ人がニュージーランドに流入するようになります。

ヨーロッパ人とマオリ族の間で土地を巡る争いが頻繁に起きるようになり、死者まで出るようになりました。

マオリ族も一つのグループだった訳ではなく、様々な部族に分かれていました。

ヨーロッパ人と激しく争う部族がある一方、ヨーロッパ人と友好的に交流を深めた部族もありました。

イギリスと不平等条約を結ぶ

1840年にはイギリスと各マオリ部族の首長達との間でワイタンギ条約が結ばれました。

しかしこのワイタンギ条約は不平等で、マオリ族に不利な条件なものでした。

この条約によってニュージーランドは植民地となり、イギリスが実権を握るようになります。

その後、条約の内容を巡りイギリス側とマオリ側の争いは続いていきます。

現在のマオリ族

第二次世界大戦後は都市部に移住するマオリ族も増え、生活も西洋化していきます。

現在ではマオリ語ではなく英語を話すマオリの人々も増えています。

一方でマオリ文化を残そうという運動も起こっており、マオリ語の教育やマオリへの差別を禁じた法律の整備などが行われています。

北島のロトルアでは現在でもマオリの文化が色濃く残っており、マオリの文化を体験できる観光施設もたくさんあります。

マオリ語

現在ではマオリ語を話す人も減少し、ニュージーランドを旅行などするなら英語だけで十分な場合が多いです。

ただ、マオリ語はニュージーランドの公用語でもあり、いまだに街中で目にする機会も多いので、いくつか覚えておくとニュージーランドをより楽しめると思います。

覚えておくと便利なマオリ語

ここでは最低限覚えておくと便利なマオリ語を紹介します。

  • Kia Ora(キア オラ) こんにちは
  • Haere mai(ハエレ マイ) ようこそ
  • Kapai(カパイ) ありがとう
  • Haere ra(ハエレ ラ) さようなら
  • Aroha(アロハ) 愛
  • Tahi(タヒ) 1
  • Rua(ルア) 2
  • Toru(トル) 3

マオリの文化

ここではマオリの挨拶や刺青、彫刻、踊り(ハカ)や料理などの文化を5つ紹介します。

マオリの挨拶

マオリの公式な挨拶の仕方に「ホンギ」というものがあります。

これはお互いの額と鼻を合わせる挨拶で、マオリ族特有のものです。

マオリの伝説では鼻には魂が宿るとされ、お互いの鼻を合わせることで相手と一体になり、相手を受け入れるという意味を持ちます。

正式なハンギの方法
  1. 右手で握手をする
  2. 左手を相手の肩に乗せる
  3. お互いの額と鼻を合わせる

    舌を出す行為

    またラグビーの試合前などに選手が「舌を出している」のを見たことがあるかもしれません。

    一般には舌を出す行為は相手に対しての挑発のように思われるかもしれません。

    しかしマオリにとって「舌を出す」ことは相手への敬意を表す行為だとされています。

    2.マオリの刺青(タトゥー)

    マオリ族にとって刺青は神聖なものと考えられています。

    マオリ族のタトゥーは二つとして同じものがない

    マオリ族のタトゥーの魅力的な点は、全てのデザインが唯一無二である点です。

    つまり同じデザインがこの世に存在しません。

    そのため、一つ一つのタトゥーがその人のアイデンティティとなっています。

    タトゥーと社会的ステータス

    マオリ族のタトゥーには入れる場所によってそれぞれ意味が異なります。

    タトゥーを見ることでその人の社会的ステータスがわかったりします。

    • 額の中央の刺青=その人の社会的ステータス
    • こめかみ周辺の刺青=その人が結婚しているかどうか
    • 頬の刺青=その人の職業

      などの意味があります。

      マオリタトゥーの悲しい過去

      マオリタトゥーはその芸術的美しさから、悲しい過去を持っています。

      入植したイギリス人たちはそのタトゥーに魅了され、それをコレクションをしたいという願望を持ちました。

      タトゥーの入ったマオリ族の首は近代的な武器と交換されるようになり、武器欲しさのために首を狩るといったことが起こるようになりました。

      ホラティオ・ロブリー少佐は熱狂的な首の収集家として知られ、生涯で35人分もの首を集めたと言われています。

      彼の集めた首のうち30人分は、現在アメリカ自然史博物館に展示されています。

      3.マオリの彫刻

      マオリ族といえば、その独特な彫刻も有名です。

      葉や魚のウロコ、昆虫など自然にヒントを得て生み出されたデザインで、建物の柱やカヌーなどに彫刻が施されています。

      部族の伝統や歴史が描かれているとされ、マオリ族の歴史や伝説を知っていると意味がわかることもあるのだとか。

      現在でも、マオリ村などで彫刻を見ることができます。

      4.マオリの踊り(ハカ)

      マオリの伝統の踊り「ハカ」。

      ラグビーの試合などで見たことがある人も多いはず。

      もともとは戦場で敵と対面した時などに、自分たちの士気を高めたり、相手を威嚇する意味で踊られていました。

      戦場以外でも、客人を歓迎する時や葬式の時にも踊られることがあります。

      生のハカは迫力があって素晴らしいので、ニュージーランドを訪れた際には必見です。

      5.マオリの料理

      マオリの伝統料理に「ハンギ」があります。

      肉、サツマイモ、ジャガイモ、カボチャ、ニンジンなどを土の中に埋めて葉っぱと土をかぶせて蒸し焼きにする伝統料理です。

      豪快な料理ですが、肉の余分な油は抜け、野菜は甘みが増し、とても美味しい料理です。

      マオリ文化が体験できる観光地7選

      ここでは実際にマオリ文化を体験できるおすすめの観光地を7つ紹介します。

      1.オークランド博物館

      マオリの文化財保有数世界一の博物館

      オークランドでマオリ文化に触れるならここです。

      マオリ彫刻をはじめ、様々なマオリ文化財を見学することができます。

      おすすめは何と言っても「ハカ」が見れるところ!

      1日3〜4回、ハカが踊られるのでタイミングを合わせて見学しましょう。

      基本情報
      • 住所:The Auckland Domain, Parnell, Auckland 1010 New Zealand
      • 営業時間:10:00-17:00
      • 定休日:日曜、祝日
      • 入場料:$25(マオリショーを見るには+$20)

      2.テプイア

      ロトルアに位置するテプイアは古くからマオリにとって大切な場所でした。

      敷地内には南半球最大級の間欠泉があり、多くの観光客が訪れています。

      園内にはマオリのカヌーや彫刻、マオリの居住地を再現したスペースがありマオリの文化に触れることができます

      ハカを鑑賞したり、伝統料理「ハンギ」を味わうこともできます。

      基本情報
      • 住所:Hemo Road, Tihiotonga, Rotorua 3040
      • 営業時間:8:00〜18:00 (最終入場は 17:00)※9月〜4月の夏季営業期間
        8:00〜17:00(最終入場は16:00)※9月〜4月の冬季営業期間
      • 定休日:なし
      • 入場料:$56、(入場料+ハカ $71、入場料+ハカ+ハンギ $128)

      3.タマキマオリビレッジ(Tamaki maori village)

      ニュージーランドの先住民「マオリ族」の生活を再現した村。

      村の中を散策する3時間のツアーでは実際のマオリ族の人たちがマオリの文化について教えてくれます。

      マオリの伝統的な踊りはもちろん、マオリの伝統料理「ハンギ」を味わったりと非常に内容が濃いツアーとなっています。

      ツアーは予約が必須で、夕方からのみとなっているので、ロトルアに宿泊している必要があります。

      希望者は村の中に宿泊もできます。(最低人数制限あり)

      基本情報
      • 住所:1220 Hinemaru St
      • 営業時間:9:00-18:00
      • 定休日:無休
      • 入場料:大人120ドル/子ども25-65ドル

      4.ミタイマオリビレッジ(Mitai Maori Village)

      先ほど紹介した「タマキマオリビレッジ」と並ぶ2大マオリビレッジの一つ「ミタイマオリビレッジ」。

      タマキマオリビレッジよりもやや荒削りではありますが、より深くマオリ文化に触れられる場所です。

      マオリの伝統衣装に身を包んだマオリの戦士がカヌーに乗って登場してきたりと、とても臨場感あるツアーが大人気です。

      敷地内には土ボタルも生息しているので、運がよければ見れるかも!

      基本情報
      • 住所: 196 Fairy Springs Road, Rotorua Central, Rotorua, New Zealand
      • 営業時間:8:00-19:00
      • 定休日:クリスマス
      • 入場料:大人118ドル/子ども23.5ドル

      5.ファカレワレワ・サーマル・ビレッジ(Whakarewarewa thermal village)

      ファカレワレワサーマルビレッジもマオリの文化を楽しむことができるマオリ村の一つ。

      村の中には100度を超える温泉がいくつかあり(もちろん入れません)、マオリのガイドが文化について丁寧に説明しながら案内してくれます

      1日に2回マオリダンス「ハカ」のショーが開催されています。

      地熱を利用したハンギ料理を楽しめるツアーもあります。

      基本情報
      • 住所:17 Tryon Street
        Whakarewarewa Village
        Rotorua 3010
        New Zealand
      • 営業時間:8:30-17:00
      • 定休日:なし
      • 入場料(ツアー):大人45ドル〜/子ども20ドル〜

      6.オヒネムツ(Ohinemutu)

      オヒネムツはかつてはロトルアの中心部として栄えた村で伝統的なマオリ彫刻やマオリの建物が今でも残っている場所です。

      一番の見所は「セント・フェイス・アングリカン教会」。

      キリスト教の教会であるにも関わらず、内部にマオリ彫刻が施されているのが大きな特徴です。

      キリスト教とマオリ文化の融合が見られる興味深い場所です。

      基本情報
      • 住所:1 Hurunga Street, Rotorua
      • 営業時間:8:00〜(教会)
      • 定休日:なし
      • 入場料:なし

      7.Tūrangawaewae(トゥランガワエワエ)

      ここは観光地という観点から言うと少し違うかもしれません。

      マオリの王様が住んでいる家です。

      日本で言う皇居です。

      王様の他にマオリの重役の家も敷地内に集まっています。

      敷地内に入ることはできませんが、外観を見学することは可能です。

      1年に1度お祭りが開催される時にはニュージーランド中からマオリのそれぞれの首長があるまり盛大なお祭りが行われます。

      基本情報
      • 住所:29 River Road, Ngaruawahia 3720
      • 営業時間:24時間
      • 定休日:なし
      • 入場料:なし

      まとめ

      以上、マオリの歴史、文化から実際にマオリ文化を体験できる場所まで紹介しました。

      マオリの歴史や文化を知ると、よりニュージーランドを楽しめると思いますよ。

      ではよいニュージーランドライフを!